エンジニアの夜時間

プラモデルを作ったり、資格試験を受けたりしながら技術力向上を目指すブログです

『面白い』と感じ、手に取るために必要なこと

新しいものを始めるきっかけについて、考える機会が最近相次いであった。どんな業界も新規のお客様を呼び込むために苦心しているし、私は個人の趣味の範囲でしかないが、私が考えた新しい何かを始めるために必要な要素は次の3つある。
・出会いがあること
・魅力が伝わること
・手に取りやすいこと


・出会いがあること
私が最近「これはハマったな」と思った物がある。田中芳樹氏が原作の銀河英雄伝説だ。
銀河英雄伝説との出会いは、私が22歳のとき。大学の先輩に薦められたことだ。おそらく私がガンダムか何かの話をしていたのを聞いて、「絶対に好きになるから」と言われたが、アニメで162話と長編3本も観られないと思い、その時は手を出さなかった。そして何年も経った今年に入り、銀河英雄伝説との2度目の出会いが職場であった。今度は職場の先輩に薦められたのだ。そしてタイミングよく、リメイクされた銀河英雄伝説NHKで放送が開始されると知り、観てみたところ銀河英雄伝説の魅力に取り付かれてしまった。


・魅力が伝わること
私の趣味にプラモデルとクラシック音楽がある。私自身はプラモデルの製作、クラシック音楽の演奏と、どちらも中に入って経験しているので、その魅力を充分知っている。知っているけど、この魅力を知らない人には伝えられていない。
経験したからこそわかる魅力を、未経験の人に伝えるのはなかなか難しい。そのためわかりやすい物である、ということも魅力を伝えるのに大切なことだ。バンダイから9月18日に発売された日清カップヌードルのプラモデルは、正にわかりやすい物だと思った。写真で見ただけだが、形も色ツヤも本物そっくりに似せたプラモデルだ。プラモデル作らない人でも、カップヌードルを知っている人ならその凄さがわかるだろう。どれだけ本物に似ているか、というのはわかりやすい指標だ。本物そっくりの模型を作るというプラモデル魅力が、カップヌードルからはビシビシ伝わる。
逆にクラシック音楽については、視覚的なアピールにあまり頼れず分かりにくいにものであるも関わらず、新規ユーザーへのアピールが弱いと思う。アマチュアは基本的にアピールしないし、職人気質なのかプロも積極的なアピールが少ない。プロがTwitterで宣伝するなら、演奏者の写真だけでなく演奏動画を上げて欲しい。新規ユーザーへクラシック音楽の魅力を伝えるためには、うまい演奏を聴いてもらう方が効果的だと思う。

(少し話がずれてしまうが、銀河英雄伝説のファンはやたら熱量を持って、それこそ鬱陶しいと思う勢いでアピールしてくる気がする。熱量が多くなる理由は、自分がハマッてみてわかったけど。)


・手に取りやすいこと
私が銀河英雄伝説を観始めたのは、リメイクされた銀河英雄伝説が24話までしかなく、しかもNHKで放送されたからだ。いまでこそ各種動画配信サイトで過去のアニメを観られるが、私が学生の頃は動画配信サービスは無くレンタルするしかなかった。しかも銀河英雄伝説OVA。話数が多いのもあり、ハマった場合の金銭や時間の負担の大きさを考えると手を出せなかった。
結局のところ、最初に必要な時間と金銭の負担が少ないと、初めての人は手に取りやすい。当たり前だけど。


その上で自分の趣味であるプラモデルとクラシック音楽について話すと、魅力さえ伝わればクラシック音楽の方が始めやすい。プラモデルであればパーツの少ないキットであっても、キットを用意して自分で組み立てる必要があるのに、クラシック音楽の場合は動画サイトで再生すれば曲を聴くことができる。だからN響のような一流のプロオケが、有名な小曲を無料で聴ける環境を整えてくれたら良いのにと思う。きっと初めてクラシック音楽を聴く人にとって、良い出会いとなる。
プラモデルの各メーカーも、最初の一歩を踏み出しやすいキットを用意しているのは間違いない。けれども新規ユーザーを獲得するためには、これまでと異なるジャンルのプラモデルを作ってみたら良いと思う。個人的にはコンサートホールや、楽器、演奏者等のプラモデルを作って欲しい。私は一人のクラシックファンとしても、購入したいと思う。