エンジニアの夜時間

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新作公開の前に予習しよう!エヴァの世界を理解するなら漫画版がおすすめ


『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
西暦2021年1月23日公開

この特報を聞いて私は狂喜した。だって前作の「Q」公開から随分待ったし、本来であれば今年の6月に公開されるはずが新型コロナの影響で延期になったし、それは喜びます。同じような人はたくさんいると思う。

新世紀エヴァンゲリオン」は1995年に漫画とアニメで始まったメディアミックス作品で、現在では過去となってしまった2015年の近未来を舞台にしている。貞本義行氏がデザインした登場人物の繊細なデザイン、14歳の主人公「碇シンジ」が乗り込むロボット(ここではわかりやすくロボット呼ぶ)「エヴァンゲリオン」の生き物のような描写、人類の半数が死滅した世界を舞台にした宗教色の濃い世界観、それに1995年当時の現実社会を覆う世紀末感が合わさり、当時のオタクにとてつもなく支持された。私が初めてエヴァに触れたのは1996年の再放送ではあったか、自分が中学生だったこともあり、中二病をこじらせた登場人物達に魅せられ、エヴァンゲリオンという作品にはまっていった。

映像化されたエヴァンゲリオンにはいくつか種類がある。1995年に放送された26話の「テレビシリーズ」。テレビシリーズの25話と26話をリメイクし、1997年に公開した2本の映画である「旧劇場版」。2007年から始まり、今度公開する映画で完成する四部作の映画である「新劇場版」の三種類だ。新劇場版はテレビシリーズと旧劇場版のリメイクであり、既に公開されている第三作までで、ストーリーや登場人物にかなりの変化がある。

漫画版をお勧めする一番の理由は、エヴァンゲリオンの世界観が比較的わかりやすいからだ。漫画版は碇シンジによる最後の選択は若干異なるものの、テレビシリーズの24話までと旧劇場版のストーリーから大きく外れることなく展開される。テレビシリーズおよび旧劇場版は、監督である庵野秀明氏の精神状態と作品そのものの設定が合わさりかなり難解だ。漫画版は同じ話ではあるが、「文字と絵」を持つ媒体としての特性と構成の上手さにより、作品の設定が冗長と感じることもなく、作品内で解説されていく。おそらく漫画版のわかりやすさは、作者と担当編集者の力量によるものが大きいのだろう。

2007年から始まった新劇場版は、漫画版と異なる点も多いが基本となる設定は同じだ。「エヴァンゲリオンとは何か」、「人類の敵である『使徒』の正体は」、そして作品で最重要のキーワードである「『人類保管計画』とはどういったものか」といった謎について、ある程度わかりやすく解明される。そのため新劇場版であろうと、「エヴァンゲリオンという世界」を理解するには漫画版を読むことがお勧めだ。また漫画版はキャラクターデザインを行っている貞本義行氏が描いており、氏の描く絵、特にカラー見開きはとてもキレイで、それだけでも見る価値がある。
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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で初めてエヴァに触れる方はもちろん、これまでシリーズを追ってきた方も、復習として新劇場版の前三作を見るだけでなく、“予習として”漫画版を一読してみて欲しい。エヴァンゲリオンへの理解が深まり、新作映画をより楽しめると思う。



碇シンジの声優を勤める緒方恵美さんのTwitterによれば、この「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が正真正銘最後のエヴァンゲリオンになるらしい。私自身一人のファンとして、この最後の祭りを思いっきり楽しみたい。